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りんごってなんで赤くなるの?

りんごってなんで赤くなるの?

 

こんにちは!

オルカファーム園主の角野です。

そろそろ早生種のリンゴが終わり中生種に切り替わる時期がやってきました。このころからスーパーなどには沢山の種類のリンゴが並びます。赤や緑や黄色やピンク。ワインレッドのような濃い色のリンゴまでスーパーでは5種類程度、りんごの産地の直売所では10種類以上並んでるんじゃないかと思います。いろいろな色のりんごがあるので美味しいりんごを見分けるのはとても困難です。それは真っ赤なリンゴがおいしいわけではないからです。ただ真っ赤なりんごほど美味しそうに見えるのは事実!今回は赤いりんごにするための作業のお話。(美味しいリンゴの見分け方はまた別にお話しようと思います。)

 

りんごはザックリ2種類に分けられる

りんごはザックリ2種類に分けられます。それは赤系品種か青系品種か。

簡単に説明しますと赤系品種と言われるりんごは、りんごの皮にアントシアニンという色素が含まれているのですが、その色素が日光に反応することで赤く色づくのです。青系品種と言われるりんごは、アントシアニンを持っていない(少ない)ので色づかず果皮が青色のままとなります。

 

オルカファームで栽培しているりんごを分けると以下のようになります。

赤系品種

・ふじ

・シナノスイート

・ジョナゴールド

・北斗

・紅玉

・美丘

 

青系品種

・ぐんま名月

・王林

・はるか

・青林

・グラニースミス

 

 

赤系品種は葉摘みが必要

赤系品種はアントシアニンが日光にあたると赤く色付くと説明しましたがこの日光に当てると言う作業が葉摘み作業になります。葉摘みと言うのはりんごの果実周りに付いている葉っぱをむしり取り日光を当たりやすくする作業のことです。

 

<葉摘み前>

葉っぱで陰になっているのがわかりますよね?

 

<葉摘み後>

陰になっていた部分が若干緑色になっていて色ムラがあるのが分かると思います。この色ムラが果実全体に日光を当てれば無くなり真っ赤なりんごになります。

 

 

<葉摘み前 全体>

 

<葉摘み後 全体>

このように全部のリンゴに対して行います。重なりあった枝のりんごは着色が遅れます。いやー、大変だ。

 

 

葉摘み作業中に全体に比べて赤いりんごが畑の中にはポツポツあります。これは、芯腐れと言って中が腐っています。これもついでに取り除いていきます。全部のリンゴが赤くなるころにはこの芯腐れが見分けつかなくなってしまうためこのタイミングでやるのが重要です。

 

切ってみるとー。

 

葉摘みは味に影響しない?

適切に葉摘み作業を施せば味に影響が無いと言われています。しかしタイミングを早まると味が落ちる場合があります。りんごも植物ですので葉っぱに日光が当たり光合成し実に栄養が行くわけです。早すぎる葉摘み作業はこのプロセスが奪われ糖度が落ちるなんて研究データもあります。また早すぎる葉摘みはりんごが日焼けを起こし商品になりません。このタイミングと言うのが難しく品種でも違うしその年の生育状況でも変わっていきます。とっても繊細なんです。

 

<りんごの日焼け>

一部分が白くなったり瘡蓋のようになったりします。

 

 

葉とらずりんごとは?

スーパーや生協などで「葉とらずりんご」など目にしたことはありませんか?葉とらずりんごとは、葉摘みをしない赤系りんごのことを言っています。「葉とらずつがる」や「葉とらずふじ」なんて書いて売っていますよね。たまに「葉とらずふじとふじは違う品種なの?」と聞かれることがありますが同じ品種です。ちなみに「サンふじ」と「ふじ」も同じ品種です。こちらは「サンふじ」は無袋栽培で「ふじ」は有袋栽培のことです。ただ「ふじ」と書いてあっても無袋栽培もあるので割と曖昧です。「サンふじ」は長野県が商標登録で本当は使ってはいけないって話も聞いたことがあります・・・。気になる方は調べてみて下さい。

 

青系品種は葉摘みが不要

赤系りんごと違って青系りんごは葉摘みはしません。色で商品価値が変わりませんし葉摘みでりんごの味が変わることもありませんので。ただ赤系品種で見分けれれた「芯腐れ」を見分けるのはとても困難です。色や香り熟度なんかで見分けて行きます。農協や大きなりんご業者などは機械によって「芯腐れ」を選別できます。小さい農園ではそこまでの設備投資はできません。厳選し荷造りしておりますが入ってしまったらごめんなさい。

 

青系りんごが増えている?

長々と説明しましたが上記の違いから生産現場では青系品種のりんごが増えています。忙しい出荷時期に作業するのは一苦労。できればその作業時間を他に回したいですからね。そのため青系品種の品種開発も進んでおり、「ぐんま名月」や「はるか」など蜜も入りでとっても美味しいです。また葉とらず栽培も同時に増えつつあります。理解を示して頂けるお店も増えているようで真っ赤なりんごと変わらない価格で取引するみたいです。こういった状況から近い将来には全体が真っ赤に染まった綺麗なりんごは贈答用のみの生産になるかもしれません。

 

この記事を書いた人

角野 星矢

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