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美味しいりんごが食べたい。摘果作業。

美味しいりんごが食べたい。摘果作業。

こんにちは、長野県山ノ内町 志賀高原の麓でぶどう,りんご農家をしている園主の角野星矢です。

摘果とは、りんご栽培における管理方法の1つで、幼果の時期に小さな果実を間引きし、着果した果実の一部をあえて取り除くことによって、1果当たりの葉の枚数を調整し、残された果実の大玉化や高品質化を目指します。全ての果実を実らせるとりんごが大きくならず甘くもならず商品価値がなくなってしまいます。さらに翌年にも悪影響がでてきます。なのでとても重要な作業です。要は適度に間引きして樹からもらう栄養を集中させればいいのです。さらに作業を早くやればやるほど樹が余分な栄養を使わずに済むため。大玉化と高品質化が実現できます。ちなみに花の段階でこの作業をするのを「摘花(てきばな)」、結実後に作業するのを「摘果(てきか)」と呼びます。りんごでは実施しませんが蕾を落とすのを「摘蕾(てきらい)」と言います。

 

どれを摘果しどれを残すの?

りんごの花はひとつの花弁から5~6個の花が咲きます。この全ての花が受粉し結実すると全てりんごになります。これでは多すぎるのでまずはひとつにします。基本的には中心の実を残します。中心の実は中心果と言い回りの実は側果といいます。中心花は側果と比べ実が大きく形が良い傾向にあるからです。ですが中心果が無かったり、変形していたり軸が短かったりトラブルを抱えている場合もあります。この場合は側果の条件の良い実を残します。また、りんごが重くなると重みで枝が下がってくるのでこの下がった時の状態を想像し他の実や枝と干渉しないように残していきます。あとは、1年枝(昨年伸びた枝)には身を付けないことです。枝の徒長が強く良い実が収穫できません。

 

中心果がちょっと大きいですね。

 

これはひとつの花弁から3つ結実しました。

 

側果はすべてハサミでチョキチョキ

 

どれだけ残すの?

果実の大きさや品質は、1果当たりの葉の枚数による影響が大きいため、葉の枚数で摘果の程度が決められます。摘果が不十分であれば糖度や着色が不十分で、かつ小玉サイズになる傾向があり、翌年の結実数にも悪影響を及ぼします。摘果の程度は、品種や樹勢によって異なりますが3~4頂芽に1果、りんご1個に対し葉っぱ60枚前後などの言われています。これでは分かりずらい、、、。気が健全であれば30㎝に1個、A4用紙サイズの空間に1個ぐらいのイメージです。

 

ただこれを一気に作業するのではなく当園は、30日ぐらい間隔を開けて3回実施します。

1回目:20㎝間隔になるように摘花する。

2回目:サビ、傷、変形など状態が悪いものを落とす。

3回目:目標の着果量になるように落とす。

 

品種や年にもよりますがいっぱい花が咲くとこんな感じ。

蜜蜂さんが頑張っちゃうと全てりんごになってしまい仕事が増えます( ノД`)シクシク…。喜ばしいことと言えますが。

 

摘果の省力化

この摘果作業ですが大きい樹になると1日以上かかってしまうこともあります。作業が遅れると上段で述べたように品質低下に繋がりますのでこの作業を省力化するために「摘花剤」と「摘果剤」と言う農薬が売られています。当園は減農薬を目指いしているためどちらも使用していませんが簡単に説明します。

 

<摘花材>

石炭硫黄合剤と言われるものでこれを花に撒くと受粉能力が無くなり実にならなくなります。そのため人工授粉し残したい花を確実に受粉させてあげる必要があります。(当園は蜂や昆虫による自然受粉。)

 

<摘果剤>

ミクロデナポン水和剤が代表的です。これは、果実が9ミリぐらいの大きさになったら使用します。9ミリ程度からそれ以上の大きさの果実は残り、それ以外の小さい果実は落下すると言う商品です。

 

 

まとめ

いろいろと摘果について説明してきましたが品種によって摘果の小ワザはいくつかあります。品質を向上を目的にやるものや収量アップを目的になるものまで園主にの考えによっていろいろです。しかしながら基本はやっぱり早く摘果し、栄養を残った実に集中できる期間を長く確保することです。正直まだ初めて数年のため全て理解しているわけではありません。毎年試行錯誤しやれることからコツコツとです。摘花剤、摘果剤、摘葉剤、除草剤、ネオニコ系殺虫剤、有機リン剤、落下防止剤を使用せず手間をかけ一生懸命作っています。出荷時期がきたら是非ともご利用下さい。自信をもってオルカファームのりんごをお届けします。

 

 

この記事を書いた人

角野 星矢

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